研究発表一覧

つねに新たな分野へ積極的に取り組み世界の学術的な場で高い評価を獲得

日本色材は、よりよい製品づくりのために日々研究開発を行っています。その研究の成果を、2年に一度、世界の主要都市で開催される化粧品技術者の学術大会(「IFSCC」「ASCS」)で発表し、世界から高い評価を得ています。

  • IFSCC = International Federation of the Societies of Cosmetic Chemists(国際化粧品技術者会連盟)
  • ASCS = Scientific Conference of Asian Societies of Cosmetic Scientists(アジア化粧品技術者会研究発表会)

2004年  IFSCC 第23回 オーランド大会

遺伝的アルゴリズムを用いた革新的な紫外線遮蔽複合材料の設計と調整<ポスター発表>

Material Design Using Genetic Algorithms and Preparation of Innovative
UV-Reflecting Composite <Poster session>

生物の進化のメカニズムを真似てデータ構造を変形・合成・選択する解析法である「遺伝的アルゴリズム」を用い、紫外線遮蔽効果と透明性に優れた層状複合粉体(サンクリーン用原料)の設計・作製を行ないました。本手法により、任意の遮蔽特性を持つ粉体を、簡便に設計する事が可能となります。

調整された複合粉体
調整された複合粉体
複合粉体の割断面
複合粉体の割断面

2002年  IFSCC 第22回 エジンバラ大会

熱ショックを与えた藍藻抽出物の線維芽細胞増殖作用及びその他の有用性<ポスター発表>

Enhancement of Human Fibroblast Growth and Other Dermatological Effects Induced by
Cell Extract from Heat-Shocked Blue Green Alga (Cyanobacteria) <Poster session>

生物は、熱ストレスを与えられると、その細胞中に熱タンパク質を作り出し、ストレスによる生体蛋白質の変性を防ぐと考えられています。そこで、我々は、藍藻に熱ショックを与えることで、抗酸化作用と繊維芽細胞増殖作用を併せ持ち、抗老化化粧品の原料として有用な抽出物を得ました。

1998年  IFSCC 第20回 カンヌ大会

酸化チタン含有シリコンポリマーの開発と化粧品への応用<口頭発表>

Development of Titanium Dioxide-Containing Silicone Polymer and Applications
in Cosmetics <Oral session>

化粧品原料としてよく使用されるシリコーン骨格中に、酸化チタンを綺麗に配位させることで、高い透明性を示しつつ、優れた紫外線防御効果をもつ原料を開発することが出来ました。
また、この原料を配合した口紅は、カップなどへの色移りを抑える効果を示すこともわかりました。

1996年  IFSCC 第19回 シドニー大会

崩壊性中空多孔質酸化チタンの開発とその性質<ポスター発表>

Preparation of the Hollow Porous Titanium Dioxide Spheres with Controlled
Collapsibility and its Properties <Poster session>

紫外線遮蔽素材である「微粒子酸化チタン」は、微粒子構造を有する為、分散性、使用性、展延性に影響を及ぼします。当社では、独自手法を用いて、微粒子酸化チタンを崩壊性中空多孔質粒子の形に増粒・再構築し、化粧品中及び塗布時の肌上での均一分散を容易にすることを検討しました。

1994年  IFSCC 第18回 ベネチア大会

有機色素ドープシリカゲルの開発とその性質<ポスター発表>

Sol-Gel Preparation of Organic Colorant-Doped Silica Gel and its Properties <Poster session>

化粧品の中でも特にポイントメイクで汎用される有機色素は、色のバリエーションが多く、鮮やかな発色を示す反面、耐温湿度性・耐光性が劣る場合があります。
日本色材では、有機色素をシリカ中にドープすることで色素の安定性改善に成功しました。

1993年  ASCS 第1回 神戸大会

新規機能性複合粉体の応用<ポスター発表>

Application of Porous Starch-Complex Powder <Poster session>

天然物である澱粉を用いて小孔を多数有する粉体を開発しました。そして、この小孔にグリセリンやビタミンA類似物、紫外線吸収剤などの有効成分を内包させ、それら成分の機能や持続性を向上させた機能性複合粉体を得ることが出来ました。